義歯(入れ歯)

保険と自費 いったいどこが違うの?

 義歯(入れ歯)を作製する際には、日本の医療制度のもとでは「保険で作りますか? 自費で質の高いものを作りますか?」と私たちは患者さんに聞かざるを得ません。

保険でつくる義歯

保険の義歯 ある程度は咬める。精密度、快適性、審美製、耐久性には限界あり

 これは保険で認められている義歯の作製方法や使用材料がごく限られたものであり、出来上がった義歯の品質も最良とは言いがたいからなのです。

 「保険の義歯と自費の義歯の違いは何ですか?」とよく患者さんに聞かれます。皆さんは材料の違いが一番か、と思われるかもしれませんが、実は、それは全体の要素の2割程度ではないか、と考えています。残りの8割ははっきりと言えば「かける手間と、それに見合った細かい形の仕上げの違い」と言ってほぼ間違いないと思います。

 身近なたとえでいえば、背広で「洋服の青山」と「銀座の英國屋」の違いではないでしょうか。生地の値段はもちろん違いますが、それは販売価格の差額のごく一部。それ以上に違うのは仕立てにかける時間と手間でしょう。それが着た時の微妙な着心地の違いや長持ちに繋がってきます。義歯の違いも同じことです。

ではどこが違うか具体的にご説明しましょう

①精密度・適合度

保険でつくる義歯

保険の義歯 細かい咬み合せの調整は難しい

自費でつくる義歯

自費の入れ歯 薄く、丈夫に、精密に作ることができる

 食べる、しゃべる、飲み込むなどの時の舌・頬・口唇・喉など顎の周りの動きに合致した義歯の形を作るには、吟味された材料と何回に分けた精密な型採りが必要となります。部分入れ歯の場合には、さらに維持のための針金が支えの歯にぴったりと適合するために、精密ゴムを使っての型採りが必要になります。
 こういった手間と材料の違いのために、保険の義歯と自費の義歯とでは精密度やその結果の義歯のがたつきに10倍くらいの差がでてきます。
 これが実際には咬んだ時の義歯の動きの差、「咬める」「咬めない」の差となって出てきます。

② 顎の動きにそった咬み合せ

自費でつくる義歯

下顎を自費で作成 がたつかず、その結果よく咬める

 食べる、飲み込むなどの動きは単純な上下運動ではありません。顎は前後左右上下にさまざまな動きをしています。義歯に並べた歯はそれらの動きを邪魔せず、同時に顎の複雑な動きに合致することが必要です。このためには顎の動きを測定し、人工の歯の咬み合せを、器械の上と口の中の双方で綿密に調整することが必要です。
 このような操作は場合によっては顎の動きの変化に合わせて、数ヶ月にわたって行う場合もあります。保険の義歯では残念ながらこのようなことは難しいのです。ある程度のところで妥協せざるを得ません。一方、自費の義歯では丹念に咬み合せのチェックと調整を行って、咀嚼しても動きの少ない快適な義歯を作ることが可能なのです。
 顎の動きに合わせた咬み合せの義歯は咬むほどに動かず、土手に密着して快適なものです。

③ 装着時の快適性

自費でつくる義歯

上顎を自費で作成 薄いことで発音も楽になる

 特に上の義歯では保険の場合、プラスチックで顎を広く覆わざるを得ないのです。これがもとで「しゃべりにくい」「厚ぼったい」「違和感がある」などの訴えにつながりやすいものです。
 自費の義歯の場合には金属の薄い材料を使用することでかなりの程度これらの問題を改善することができます。

④ 審美性

自費でつくる義歯

自費の金属床義歯を入れたところ 針金も目立たない

 部分義歯の場合、針金が笑うと見えてしまう場合がしばしばあります。自費の部分義歯の場合には、設計を工夫して針金を笑っても目立たなくすることが可能です。

⑤ 耐久性

 保険の義歯の場合にはプラスチックのピンクの部分(床といいます)が使用しているうちに割れてくることがしばしばあります。自費の義歯の場合には丈夫な金属のフレームで作ることが可能なので、破損の比率はずっと少なくすることが可能です。
 また人工の歯に付いても自費の義歯の場合には、より磨り減りにくい材質のものを採用しています。

 これらのきちんと手をかけた治療を行うためには、保険の制約の中では無理があるのです。ただし、種々の理由で保険診療をご希望される患者さんには、保険で義歯を作製することももちろんしています。ただしその際には、義歯の出来上がりに残念ながら質の差があることをお伝えしてご了解を得るようにしています。

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